言語体系を創造する未知のゲーム、エスペライゼーションを遊ぼう

すごいボードゲームを遊んだ。
その名もエスペライゼーション
架空の言語体系を作るボードゲームである。

あまりに衝撃が強かったので、備忘録がてら感想を綴る。
いつも通り個人の感想なので参考程度に読んでくれると嬉しい。



エスペライゼーションとは


エスペライゼーションへようこそ、 このゲームでは未知の言語を生み出し、文明を発展させていく、 言語創生協力ゲームです。 どのような言葉、どのような文明になるかは、あなた達次第です


>>エスペライゼーション作品紹介


エスペライゼーションは、架空の文明で使用されている言語を生み出していく協力ゲームだ。
使うものはゲームに付属するカードと、言葉、言葉、言葉。そしてメモと筆記用具。
極めてシンプルで原始的である。



簡単にルール概要を説明する。
まず始めに、いくつかの単語を新言語で名前をつけていく。

たとえば「りんご」という単語に「メポポ」
「バナナ」に「ルッキョ」と命名したりする。

ゲームが始まったら親手番のプレイヤーがお題カードを引き、
カードに書かれた単語を1つを選ぶ。
親は選んだ単語を、新言語(とわずかのジェスチャー)のみで説明しなければならない。
他プレイヤーは協力して、親が何の単語を説明しているか当てるのだ。

親を変えてこの手番を繰り返していく。
手番を繰り返す程、文明の言語体系は豊かになり、難しいお題も説明できるようになる。
力を合わせて文明を発展させていくのだ。

大体どんな感じの説明になるか。
わたしの会話から抜粋すると、以下のような感じだ。
(新言語以外に、プレイヤー名は使用していいらしい)


たけなみ ヌンヌン ヌンヌン ヌンヌン!! レンーフス
たけなみ ヌンヌン ニム ゴーフェン ユゼドリン
たけなみ エッパ レンーフス!!
アフ ヨンレンヌ! アフ ヨンレンヌ! モジェ たけなみ…
たけなみ トーツン…


これマジなんだ。マジなんだぜ…。
こんな会話が終始続くんだ。最高に楽しくない????
誰にでもオススメできるわけではないが…やってくれ…面白いから…



遊ぶために必要なもの


このゲームを遊ぶのに必要なものは3つある。
第1にゲーム。第2に時間。第3に仲間だ。



まず第1にゲーム。

ツリーホッパーゲームズ(@treehoppergames)さんが、この素晴らしき言語世界への案内人であり原点。創造主である
この記事を読んで少しでも興味を持った方は、ぜひエスペライゼーションを購入し遊んでみてほしい。ちなみにわたしが働くボードゲームカフェでも遊べる。




こんな人にオススメだ。

  • 語彙力や想像力を試される体験が好きな方
  • ボードゲームやTRPG、読書や謎解きが好きな方
  • 国語が得意な方
  • 粘り強く物事に取り組める方
  • 協力ゲームが好きな方



第2に時間。

エスペライゼーションは時間食い虫だ。
長時間集中できる時間と場所を用意しよう。

夢中で遊んでいるうちにあっという間に時間が過ぎていく。
わたしは5人で5時間かかった。これでも少し巻きで遊んだのだ。

濃厚かつ濃密かつ混沌とした時間はプライスレス。
素晴らしいひとときが約束されると思ってくれて構わない。



第3に仲間。

エスペライゼーションは何度も言うが協力ゲームだ。1人では遊べない。
プレイ人数は2人以上、公式の推奨人数は4名

わたしは5人で遊んだが、1人経験者(プレイ経験1回)が参加していた。
何度も遊ぶとお題を覚えてしまう。一緒に遊ぶなら経験数が近い人同士がよい。
できれば初プレイ同士で遊ぶのをオススメする。

人数以上に大事なのは人選だ。
この長時間ゲームを共に楽しんでくれそうな人と卓を囲もう。
大丈夫、楽しめばいい。



この3つが揃ったら、さあエスペライゼーションを始めよう。
次なる高度な言語体系を構築するのは貴方達だ。恐れることはない。
表現は天地を超え時空を超える。深淵はあなたを待っている。



個人的感想


エスペライゼーションは余韻がすごいゲームだ。
5時間ぶっ通しでやったらそりゃそうよって話だが、作りあげた新言語が頭から離れない。1日寝てもまだ落ち着かない気分だ。

ゲームを終えたとき、我々の言葉ってすごいなと思った。
わたしたちが今話している言語には文法があり、単語と文法さえ学べば母国語が違っても意思疎通できる。言葉が生まれ体系づけられるまで、どれ程長い年月と苦労があったろう。
感情を説明するのに必要不可欠な言葉が存在している、その事実がどれ程有難いものであるかわたしは気づいていなかった。綿々たる歴史の中の祖先たちには感謝せねばなるまい。
ゲームを通して、ブレイクスルーを体験できる。何とも稀有な経験だった。

エスペライゼーションはとても面白いゲームだ。
しかし誰にでもおススメできるわけじゃない。
長時間かかるから手軽に広げることはできないし、全員が集中力を保ってゲームに臨む必要がある。そのほうが楽しめるからだ。
上手く言葉が伝わらなかったり、仲間の言葉がわからず、時にはイライラすることもある。
少しばかりの語彙力や表現力が問われると思っていてほしい。
小さじ1程の熱意があるとなお良い。表現下手でも前のめりになったほうがゲームは盛り上がる。

誰にでもおススメはできないけど、
遊んだらきっとすごく面白いゲーム体験になると思う。

仲間や友達と、この異色なゲームを遊んでみてほしい。
無限の言語体系の彼方へ、さあ行こう。



最後に、わたしと卓を囲んでくれたT氏・O氏・Y氏・T氏(手番順)に深い感謝を。
4時間くらいと言いつつ5時間かかったし、難しくて大変な言葉もあったけど本当に楽しかった。心に残るゲーム体験をありがとうございました。




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