2001年の名作RPG「盗人講座」が好きだから遊んでほしい

ゲームアツマールで「盗人講座」をプレイした。
RPGツクール往年の名作とあって、面白い…・。備忘録がてら紹介していきます。

















盗人講座とは


盗み」をテーマに2001年に制作されたフリーゲーム。
こうして書くと胡散臭く見えるけれど、勇気と正義の物語なんですよ…!


~ ストーリー ~

「人の命と麻薬以外は盗んでよし!」
盗賊が作った、盗みが奨励される街「ミスト」が冒険の舞台。

王子レットーは幼い頃より、自由な盗賊の姿に憧れていた。
ある日、突如として帝国軍が攻め入り、レットーと配下たちは城を追われる。
配下と別れた彼は身分を隠し、憧れの盗賊を目指して「盗人講座」を受講し始める。


ジャンルはRPG。戦闘はほぼ無く、物語重視。
プレイ時間は約3~5時間。さくさく進めると、もう少し短めになるかも。

作者はw-nさん。作成当時は大学生で、就活・卒論と並行してゲーム作成してたとか。
すごすぎへん?



アマチュアデジタル作品コンテスト「インターネットコンテストパーク」、通称コンパクで2001年5月度金賞を受賞。
リアルタイムで発表を見て、遊んでいた勢としては再び遊べるのが嬉しい限り。



ゲームの特徴や好きな点


このゲーム最大の特徴は
街にいるほぼ全ての人物から、物を盗むことができる


講座を受けるには受講料が必要なんだけど、そのお金は自分の手で稼がなくてはいけないって規則があるのよ。
じゃあどうやって稼ぐのか、町の住民から盗むのよ!

ミストは盗賊の街だけあって、ルールさえ守れば盗みはむしろ奨励。
街の住人や観光客に話しかけ、じゃんじゃんスリにチャレンジすることになる。
成功すると、アイテムやお金をゲット!
失敗しても、相手に免罪符というアイテムを渡せば事なきを得る。
盗めば盗む程スリの技術が上がって、難易度の高い相手からも盗みを働けるようになるぞ!

盗みを通じて住人の性格や暮らしぶりが見えてくるのが嬉しい。
主婦だから中華鍋持ってるとか、大切な彼女のための結婚指輪を準備してたとか。
同じキャラクターから何度か盗みを働くと、その人となりがわかって、サブキャラにもどんどん愛着が湧いて困る。(困らない)
当たり前だけど、盗みは現実世界では決してやってはいけないよ!!!



また、盗人講座のすごい点として、
ほぼ全てがRPGツクール2000のサンプル素材で作られているというのもあげておきたい。

キャラクターや顔グラフィックまで、ほぼサンプル素材。
だからといって、それが悪いかというとそうではなく、むしろ逆。
ここまでサンプル素材を使いこなしているゲームも珍しいくらい、違和感がないのさ!

ゲーム中に時折挿入されるオリジナル絵もよいので(RPGツクール2000の画面だと少し画質は荒いけど)、ぜひ実際に遊んで確認してみてほしい。



魅力的なキャラクターたち


上で、サブキャラに愛着が湧いてくるって話をした。
このゲームは主人公もそうだけど、どのキャラも魅力的で、もう名言の嵐なのさ。

1つだけネタバレにならない範囲で台詞を紹介。
町の端に、いつもボンヤリ考え事をしている夢想家の女性がいる。彼女の台詞。


あなたはどれだけ知っていますかぁ ?
この世界のこと、周りのお友達のこと。


これだけ抜き出すと唐突だけれど、ぜひ物語の流れの中で読んでみてほしい。含蓄よ…。

登場するキャラクターとは何回か会話を重ねることができる。
この町に対して、人に対して、人生に対してどんな考えを持っているのか、会話の端から伺える。
説明台詞やテンプレート台詞なんてのは一切なくて、この人たちをもっと知りたいっていう気持ちにさせてくれるのよね。
本当のモブキャラがいないのよ。だから、そこそこ広い町を一生懸命探索して、ついつい寄り道しちゃうんだよね。

時間があいたらふと、盗人講座のキャラクターにまた会いたくなってしまう。
だから、2021年になってこのゲームを遊べるのがすごく嬉しいんだろうな。



どこで遊べるのか


盗人講座はゲーム投稿サイト、ゲームアツマールで無料でプレイできる。
niconicoのアカウント登録さえすれば遊べるので、ぜひとも遊んでみてほしい。




ゲームアツマール以外で遊ぶ方法ないの?という人もいるかもしれない。
そんなときは、以下のページが参考になるかもしれない。
ゲームアツマールで遊ぶと、セーブ時のSEが「ピピピピピピピ」って謎連呼するのよね。
(わたしのPCだけかもしれないけど)




最後に


少し前のゲームだから、今時でない表現もあるかもしれない。
それを補って余りある程、キャラクターが愛しく、物語性のあるゲームだから1人でも多くの方に遊んでみてほしいと思う。
ゲームを遊んで、ブログやSNSなんかで色んな感想を呟いてほしい。

盗賊の街「ミスト」は、来るもの拒まず去るもの追わず。
人生を自らの手で切り開かんとす、そんなあなたを待っている。

盗人講座遊ぼう!!!!



言語体系を創造する未知のゲーム、エスペライゼーションを遊ぼう

すごいボードゲームを遊んだ。
その名もエスペライゼーション
架空の言語体系を作るボードゲームである。

あまりに衝撃が強かったので、備忘録がてら感想を綴る。
いつも通り個人の感想なので参考程度に読んでくれると嬉しい。



エスペライゼーションとは


エスペライゼーションへようこそ、 このゲームでは未知の言語を生み出し、文明を発展させていく、 言語創生協力ゲームです。 どのような言葉、どのような文明になるかは、あなた達次第です


>>エスペライゼーション作品紹介


エスペライゼーションは、架空の文明で使用されている言語を生み出していく協力ゲームだ。
使うものはゲームに付属するカードと、言葉、言葉、言葉。そしてメモと筆記用具。
極めてシンプルで原始的である。



簡単にルール概要を説明する。
まず始めに、いくつかの単語を新言語で名前をつけていく。

たとえば「りんご」という単語に「メポポ」
「バナナ」に「ルッキョ」と命名したりする。

ゲームが始まったら親手番のプレイヤーがお題カードを引き、
カードに書かれた単語を1つを選ぶ。
親は選んだ単語を、新言語(とわずかのジェスチャー)のみで説明しなければならない。
他プレイヤーは協力して、親が何の単語を説明しているか当てるのだ。

親を変えてこの手番を繰り返していく。
手番を繰り返す程、文明の言語体系は豊かになり、難しいお題も説明できるようになる。
力を合わせて文明を発展させていくのだ。

大体どんな感じの説明になるか。
わたしの会話から抜粋すると、以下のような感じだ。
(新言語以外に、プレイヤー名は使用していいらしい)


たけなみ ヌンヌン ヌンヌン ヌンヌン!! レンーフス
たけなみ ヌンヌン ニム ゴーフェン ユゼドリン
たけなみ エッパ レンーフス!!
アフ ヨンレンヌ! アフ ヨンレンヌ! モジェ たけなみ…
たけなみ トーツン…


これマジなんだ。マジなんだぜ…。
こんな会話が終始続くんだ。最高に楽しくない????
誰にでもオススメできるわけではないが…やってくれ…面白いから…



遊ぶために必要なもの


このゲームを遊ぶのに必要なものは3つある。
第1にゲーム。第2に時間。第3に仲間だ。



まず第1にゲーム。

ツリーホッパーゲームズ(@treehoppergames)さんが、この素晴らしき言語世界への案内人であり原点。創造主である
この記事を読んで少しでも興味を持った方は、ぜひエスペライゼーションを購入し遊んでみてほしい。ちなみにわたしが働くボードゲームカフェでも遊べる。




こんな人にオススメだ。

  • 語彙力や想像力を試される体験が好きな方
  • ボードゲームやTRPG、読書や謎解きが好きな方
  • 国語が得意な方
  • 粘り強く物事に取り組める方
  • 協力ゲームが好きな方



第2に時間。

エスペライゼーションは時間食い虫だ。
長時間集中できる時間と場所を用意しよう。

夢中で遊んでいるうちにあっという間に時間が過ぎていく。
わたしは5人で5時間かかった。これでも少し巻きで遊んだのだ。

濃厚かつ濃密かつ混沌とした時間はプライスレス。
素晴らしいひとときが約束されると思ってくれて構わない。



第3に仲間。

エスペライゼーションは何度も言うが協力ゲームだ。1人では遊べない。
プレイ人数は2人以上、公式の推奨人数は4名

わたしは5人で遊んだが、1人経験者(プレイ経験1回)が参加していた。
何度も遊ぶとお題を覚えてしまう。一緒に遊ぶなら経験数が近い人同士がよい。
できれば初プレイ同士で遊ぶのをオススメする。

人数以上に大事なのは人選だ。
この長時間ゲームを共に楽しんでくれそうな人と卓を囲もう。
大丈夫、楽しめばいい。



この3つが揃ったら、さあエスペライゼーションを始めよう。
次なる高度な言語体系を構築するのは貴方達だ。恐れることはない。
表現は天地を超え時空を超える。深淵はあなたを待っている。



個人的感想


エスペライゼーションは余韻がすごいゲームだ。
5時間ぶっ通しでやったらそりゃそうよって話だが、作りあげた新言語が頭から離れない。1日寝てもまだ落ち着かない気分だ。

ゲームを終えたとき、我々の言葉ってすごいなと思った。
わたしたちが今話している言語には文法があり、単語と文法さえ学べば母国語が違っても意思疎通できる。言葉が生まれ体系づけられるまで、どれ程長い年月と苦労があったろう。
感情を説明するのに必要不可欠な言葉が存在している、その事実がどれ程有難いものであるかわたしは気づいていなかった。綿々たる歴史の中の祖先たちには感謝せねばなるまい。
ゲームを通して、ブレイクスルーを体験できる。何とも稀有な経験だった。

エスペライゼーションはとても面白いゲームだ。
しかし誰にでもおススメできるわけじゃない。
長時間かかるから手軽に広げることはできないし、全員が集中力を保ってゲームに臨む必要がある。そのほうが楽しめるからだ。
上手く言葉が伝わらなかったり、仲間の言葉がわからず、時にはイライラすることもある。
少しばかりの語彙力や表現力が問われると思っていてほしい。
小さじ1程の熱意があるとなお良い。表現下手でも前のめりになったほうがゲームは盛り上がる。

誰にでもおススメはできないけど、
遊んだらきっとすごく面白いゲーム体験になると思う。

仲間や友達と、この異色なゲームを遊んでみてほしい。
無限の言語体系の彼方へ、さあ行こう。



最後に、わたしと卓を囲んでくれたT氏・O氏・Y氏・T氏(手番順)に深い感謝を。
4時間くらいと言いつつ5時間かかったし、難しくて大変な言葉もあったけど本当に楽しかった。心に残るゲーム体験をありがとうございました。




絵本のようなドット絵の世界。くまのレストランを遊んでみた

久しぶりにスマホアプリをプレイしました。
題名は「くまのレストラン

そこはくまが料理をつくるレストラン。
死者が最後の晩餐を食べに訪れます。
ドット絵で描かれた優しい世界観のゲームです。







知ったきっかけ


このゲームのSwitch版が出るというニュースを発見。


どうやら元のアプリは基本無料でプレイできるとのこと。
絵柄が可愛いのと、食べ物テーマの物語が好きだったので遊んでみました。



ゲームと物語の概要


主人子はくまかと思いきや、ネコです。
ある日、天国行きの駅に現れたネコは自分の記憶をすっかり忘れていました。
くまはネコに、自分のレストランで働いてくれないかと声をかけます。
くまのレストランは、死者が最後の晩餐を食べにくる、特別なレストランでした。

ゲームが始まると、ほとんど操作説明なしに物語が始まります。
ゲームを進めていくうちに、操作も世界観も徐々にわかってくるって感じですね。
物語重視の演出になっていて没入感高めです。

ネコを操作し、来店したお客様の注文を取ります。
もし注文がわからない場合は「ダイブ」といって、心の中に潜ることができます。
お客様の生前の好みを探るのです。

くまが作ってくれた料理を運んで、満足するとお客はすっと消えていきます。
記憶のかけらというものが手に入ると、その人物が何故死んだのか、記憶を辿ることができるようになります。

年齢、人種問わず、色々な客がレストランを訪れます。
何故くまはここにいるのか、そして記憶を失ったネコは何者なのか。

ストーリーは基本一本道なので、ゆっくりと物語を追うことができます。
驚くほど表情豊かに動くドット絵のキャラクターと共に、世界を味わっていきましょう。



プレイ環境や広告について


ゲームはiOS、Android両方で楽しむことができます。
2021年6月17日にはNintendo eShopにてNintendo Switch版も発売され、現在事前予約も行っているそうです。



iOSまたはAndroid版は基本無料ですが、物語の途中・記憶のかけらを視聴する際に広告が出ます。
また、エンディング後に追加ストーリーを遊ぶことができますが、追加分は有料です。

ちなみに時間はかかりますが、ミニゲームを行うと、無料で追加ストーリーも遊べてしまいます。
広告を消したり、広告消し+追加ストーリーをパックで購入することもできます。
没入感を高めたいなら広告消しはおススメ。追加ストーリーも\360と良心的なお値段です。



ゲームの感想をざっくばらんに

※物語に関するネタバレがありますのでご注意を












泣いた…。泣くと思ってたけどやっぱり泣いた…。
久しぶりに心洗われる系のストーリーゲームを遊んだよ。

無課金で遊ぶと途中途中で広告が入る。
記憶のかけらは結構多いので広告視聴回数も多くなるけど、もちろん全部見るよね。

登場キャラクターが全員可愛らしくてね。
このドット絵がまあよく動くのよ。くまがフライパンで卵をふわっふわっとひっくり返すモーションとかがね、しっかり動くの!ドットで!
ドット絵はそのレトロ感がいいんだけど、確実にドット絵の世界も進化しているわ…。(何様)想像力も掻き立てられて、絵本のようなこのゲームにぴったり。

ストーリーは一本道で、1時間程度でさくっと無料分はクリアできる。
もうちょっとこの世界観を味わっていたい気もするけど、わがままはよくないか。
まだ有料分「虚無編」は遊んでないんだが、地獄行きの駅にいる人たち見ると、明らかに前半部分と雰囲気が違ってやばそうなのよね。

前半は何というか、ちゃんと絵本。きれいにまとまっていて救いがある。
キャラクターが好きになるとやや物足りなさも感じる。
後半は、どうなるんだろうね。悪魔がネコに救われるシーンすごく好きだから、みんな幸せになってほしいよなぁ。

Xionさん(@xion_ls_)という方が曲を全て作ったらしい。ピアノベースの音源に弱いのだ…。穏やかながらも切ない気持ちになる。

忘れちゃいけない、「くまのレストラン」を作られたOdencatのdaigoさん(@daigo)。
素敵なアプリをありがとうございます!たぶんdaigoさんは鳥好きだと思う。絶対。

虚無編、遊ぶぞーー!!



【本感想:騎士団長殺し】イデアと人生観と冗長なる感想文

慣れないことはするんじゃない。
それは失敗したときのお守りのような言葉だ。
唱えておけば転んでも安心。次からその行為は避けて通ればいい。
人には向き不向きがあるんだから、無理をすることはない。

しかし、慣れてないのにやりたいときはどうする。
それはもちろん、玉砕覚悟で頭から壁に向かってツッコんでいくしかないのだ。


上記の文章が、わたしにとってのお守りだ。
到底立派にできそうにない、正確にいうとまとめきれる自信がない感想文を、今日は書く。

村上春樹作「騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編」の感想文を書いていく。


※この記事は「騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編」のネタバレを含みます







簡単な概要


妻と離婚し、紆余曲折の末、ある家に移り住むことになった肖像画家の主人公。
そこは友人の父である著名な日本画家が住んでいたアトリエであった。
ある日、主人公はアトリエの屋根裏で「騎士団長殺し」という未発表の日本画を見つける。
謎の人物からの肖像画の依頼。深夜に鳴り響く鈴の音と祠。そして、顕れるイデア。細い線で繋がるように、不思議な出来事が起きていく。



騎士団長殺し:第1部は、物語の導入だけあって興味深い点が多かった。
「顕れるイデア」って二重の意味を持っているんだなとか、村上さんの登場人物は昼食を取るようにセックスするなとか、緻密な描写に裏打ちされた説得力を下地として、突飛な展開が繰り広げられるなとか。

学生時代に読んだ「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が村上春樹デビューだったが、それに比べて極めて読みやすく感じた。
具象と抽象が交じり合う世界観は似ているけれど、基準はあくまで現実世界にあるからだろうか。

一通り読み終わったあと、この物語は一体何を暗示しているのか。何を描きたくて執筆されたのかを考えたくなった。感想も残しておきたいとも。
この難解な物語を自分なりに整理したいと思ったのだ。

しかし幼い頃から、深く考える行為を放棄してきたわたし。有益な感想文の書き方もわからないから、とにかく考えたことを連ねていきたいと思う。



イデアについて


「騎士団長殺し」を読んだら、イデアについて思いを馳せない訳にはいかない。
イデアの語源をWikipediaで調べると。

「イデア」という言葉は「見る」という意味動詞「idein」に由来していて、もともとは「見られるもの」のこと、つまりものの「姿」や「形」を意味している
 
とある。
イデアという言葉は哲学者プラトンが自身の哲学内で論じており、

プラトンは、イデアという言葉で、われわれの肉眼に見える形ではなく、言ってみれば「心の目」「魂の目」によって洞察される純粋な形、つまり「ものごとの真の姿」や「ものごとの原型」に言及する。プラトンのいうイデアは幾何学的な図形の完全な姿がモデルともとれる。

とされている。
イデア=理想値、理想形みたいな感じだろうか。


話中、主人公は「騎士団長」の姿を借りたイデアに会う。
何故会えたのか、その理由だが、主人公自身がイデアに近づいているんではないだろうかと、想像してみた。

彼の人生を考えてみる。
「理想の人生」とか言うけれど、物語冒頭、彼の人生は理想通りではなかっただろう。
妻と別離し、自身の絵すら描けなくなり、流れゆくままに身をまかせている。
しかし「騎士団長殺し」を発見してから、彼は自身が持つ才を今まで以上に発揮できるようになる。

天から授けられた才を、限りなく100%に近い形で使用する。
本人がどう感じるかは二の次として、これが人間という個体の理想値ではないかとわたしは思う。個体としてね。自分がこうなりたいとは思わないけど。
「人間の脳みそは10%しか使われていない」という説は誤認らしいが、感情を優先させ、才を寝かせている人は多いだろう。


第1部が終わった時点で、連鎖反応式に起こっている出来事はまだ終着点を迎えていない。
彼がどんな姿で、どんな感情を浮かべて物語を終えるのか。そして、冒頭以降全く姿を顕さない「顔のない男」は一体どんな形で物語に関わってくるかを楽しみにしたい。



人生観の話


ここで自分の人生観の話を少しする。
幼い頃のわたしは、人生を「成長物語」だと思っていた。

RPGの勇者のように次々と強い武器や防具を手に入れ、レベルアップ。どんどん装備品で着ぶくれしていくのが大人だと思っていた。
装備品を手に入れるには努力が必須で、努力 is 全てと思い込んでいた。若いねえ。

確かに20代頃にはまだ「成長物語」を妄信できてたが、転職し、東京から青森へ移住した後、人生へのイメージは変わってきた。

人生は「守破離」だと思う。

守破離は、芸事・芸術の修行における過程についての考えだ。
師匠から教わった型を「守る」。
型を身に着けたら、他と己を比べて、自らの型を模索し「破る」。
他と己の型、双方に精通した後、既存の型に囚われることなく型から「離れる」。

人間の人生は、そして自分の人生もそうであったらいいなと思う。
真っ新な状態で生まれて知識を詰め込み、他者と己を比較し成長し、そして余分なものを削いで己を研ぎ澄ましていく。
そしたらきっと、自分らしい人生になり、生きやすくなるんじゃないかと。

「騎士団長殺し」の主人公の話に戻ると、彼は「守破離」の「離」の段階に来ているような気がする。来たくて来たわけじゃないだろうけどさ。



感想の終わり、そして第2部へ


「離」の段階に来たとて、装備品をレベルMAXにしたとて、人生という名の物語は終わらない。
大体にして第1部が終わったばかりなのだ。
さあ第2部を読み始めよう。彼の物語を見届けよう。

この感想文が全く的外れかどうかはわからないが、書きたいように書き散らした文をここまで読んでくれた方がいるなら感謝したい。

何にせよ、感想文を書いてから第2部に進みたいと思っていたから、これでやっと肩の荷が下りるというものだ。

また第2部を読んだら感想を書きたい。
イデアに思いを馳せて、次に進もう。


Android向け日記アプリ「WriteDiary」のすすめ

以前、日記の話をした。



じゃあ書いてみようじゃないか、というそんな方に向けて、わたしが使っている日記アプリ「WriteDiary」を紹介したいと思う。
使い勝手がよく、シンプルな日記帳をお探しの方にお勧めだ。




WriteDiary


WriteDiaryはWebとAndroid向けに配信されている、無料の日記アプリだ。


自身のアカウントを作成し、ログインすることによって日記がつけられる。
日記に特化しており、別アプリとの連携や課金サービスもない。
アプリ版では日記を保存する際に広告が流れるが、気にならない程だ。

日記アプリは山ほどある中、2年近くも愛用できたのには理由がある。
気に入っている点をあげていこう。

※2021年6月現在の情報です。最新版の機能とは異なる場合があります。



気に入っている点

  1. 検索機能がある
  2. PCとスマホ、両方で利用できる
  3. ログイン型である
  4. データを出力できる
  5. 極めてシンプルなデザインである


1.検索機能がある


わたしは記録をつけた後、時折振り返りをするのが好きだ。日記をメモ代わりに使うこともある。そのため検索機能は必須。

WriteDiaryにはシンプルながら検索ボックスがある。
単語をボックスに入力すると、日記全体から該当の単語が含まれた記事を探してくれる。
タイトルだろうと、本文中であろうと、単語を見つけてくれるのはありがたい。

また、PC版であれば年月、スマホ版であれば年を指定すると、その年月(月)の記事を表示してくれる。
ただ、何年の何月何日といったピンポイント検索はできない。

ちなみに、わたしの日記のタイトルは数字+曜日にしている。
たとえば2021年6月1日火曜日の日記なら、「20210601火」といった感じだ。
これで「昨年の今日、何してたっけな」という見返しニーズに、一発で応えることができる。



2.PCとスマホ、両方で利用できる


日記アプリを探す際、最も重視したのがPC版があるという点だ。

2021年現在、スマホは恐るべき速度で人間界に浸透している。
持ち運び容易なその薄さ、単純な操作。多種多様なアプリも楽々探し出せる。

しかし、わたしは幼い頃からPCで育ってきた人間。
フリック操作よりブラインドタッチのほうが性に合っている。

PC版は毎回ログインするのが少々面倒だが、それでもやはりあるとないでは相当違う。
ぜひご利用あれ。



3.ログイン型である


この端末がなきゃ操作できない」という状態になるのが嫌だ。

スマホを買い替えるとき、今まで使っていたアプリが端末の関係でまるっと使えなくなることがある。もちろんそのアプリに蓄えていたデータもなくなる訳で。悲しい。

だったら最初から端末に依存せず、クラウドサービス型の日記にしようと。どの端末からでも気軽にログインできるようにしようと思ったのである。

まあ、サービス終了したり、情報漏洩の危険性とかもあるかもだけど、起こりうる可能性は低いよね。うん…。



4.データを出力できる


もしものときの備えは大事。
例えば、先に述べたサービス終了のときなど、蓄積したデータを何が何でも守らなくてはならない。
2021年6月上旬現在、わたしが貯めた記事はメモ書きも含め942もある。(自分でも驚いている)守りたい、このデータ。

WriteDiaryでは、テキスト形式でデータ出力ができる。
テキストなのでかなり読みづらくなるが、942が0になるより余程マシである。

出力はスマホ・PC共に利用可能。
スマホだとGoogleドライブなどに直接保存できるので便利かも。
クラウドからクラウドへ保存すんのかいという気もするが、保存先は多いに越したことはない。



5.極めてシンプルなデザインである


使いやすさ、小難しく言うとユーザビリティは大事。
わたしが日記アプリに求めることは、ただ1つ。
とにかくシンプルで実用的であることのみ。

あくまでわたしの場合だが、日記に写真は添付しない。絵文字も使わない。ラインマーカーも引かない、カラフルな壁紙もいらない、他のアプリとの連携もいらない。

WriteDiaryにも上記機能のいくつか(絵文字使えるとか、画面やアイコンの色を変更できるとか)は備えているが、主たるものではない。
そういった機能が欲しい!という方は、別アプリを選んだほうが日記を楽しめるかもしれない。



最後に


良かった点をあげたが、もちろんWriteDiaryにも物足りない部分はある。
2単語以上で検索出来ない」とかね。
これはしかし、Google先生みたいに完璧な検索機能を求めるのが酷というもの。

可能であれば、出力したデータを冊子にできたら最高なんだけど…!
アナログでもデータを残しておきたい気持ち、あると思います。
しかし942ページもある冊子なんて、もう辞書だよ辞書。いつか自分で手作業で作ってみようかな。

そんなマイナスポイントを差し引いても、WriteDiaryは十分使いやすくて素晴らしいアプリなので、もし日記を書き始めることになったらぜひ使ってみてほしい。

去年の今頃、自分が何をやっていたか。
振り返ってみたら、今日の自分がちょっと元気になるかもしれないよ。




ブログくらい等身大でいいじゃないか

自分に合ったブログを作るべし、という話。



方丈記を読んだ感想記事を書いていたときのこと。
「ブログタイトルに「方丈記」という文言を入れるべきか」という疑問がふと浮かんだ。



ブログタイトルは、読者が1番最初に目にする部分だ。
タイトルで読むか読まないか、取捨選択している人も多いだろう。

よいタイトルを付けると、Googleの検索結果に表示されやすくなる。
表示されると、不特定多数の人の目に触れやすくなる。
つまり、検索結果に反映されやすいタイトルを付けると、多くの人に読んでもらえる(可能性がある)というわけだ。

せっかくなんだから誰かに読んでもらわないとなー、と思って「タイトルの付け方」についてGoggle検索をしたところ、こんな記事を見つけた。



フリーランスブロガー・亀山ユカさんが、社会派ブロガー・ちきりんさんのブログを読んで考えたことを綴っている。
タイトルの付け方云々もそうだが、ちきりんさんのブログ運営について述べられた部分が興味深かった。

内容を引用すると、

ちきりんさんにとってブログは日記であり、「今日はこんなことを考えたという記録だ」と仰っていました。自分の書きたいことを書き続けたい、考えたことを文章化すること、自分の思考を言語化し構造化すること、その作業自体が楽しいとも仰っていました。(略)
本を読んだにしても、ニュースを見たにしても、それをそのまま紹介するのではなく、本を読んで考えたことやニュースを見て考えたことをもとに記事を書いているのです。(略) 
ちきりんさんが考えたことの結論がタイトルになり、エントリの中でその結論が出た経緯の中に「本を読んだ」という話が出てくるのです。
 
ちきりんさんはブログ収益などはあまり興味がなく、「自分が考えたことを伝えたい」という思いが第一にあるそう。
その思いはタイトルにも反映されており、自分が伝えたいことや考えた結論がタイトルになる。つまり、SEO対策で付ける文言とはかけ離れたものになる。
書くこと自体が好きでたまらなく、一貫した姿勢を崩さず運営されているところに、強く憧れました。


ブログに対する姿勢について考えてみる。
自分が最初にブログを作ったとき、「こんなことを書きたい!」という思いよりも「どうやってたくさんの人に見てもらえるか」という気持ちが先だっていたのを思い出す。

どんな記事が受けるんだろうかとか考えすぎて「ブログの書き方!」みたいなサイトを延々と見に行った。んで結局、アクセス数が伸びないのが辛くて、更新も続かなかった。一朝一夕では伸びやしないのに。

それでもまた期間をおくと、「もう1回ブログやってみようかな」という気持ちが再浮上してきて。この周期のように巡ってくる思いは何なんだろうと思っていた。
今思うと、やっぱり自分自身を文章で表現したいという思いの表れだったんだろうな。


ある方に、たけなみさんは「価値観型」だねと言ってもらったことがある。

考え方には2通り、「目標型」「価値観型」というのがあると。
「目標型」は設定した目標のためなら、自分の価値観抜きでバリバリ頑張れるタイプ。
一方「価値観型」は、自分の価値観に合ったことなら頑張れる、合っていないとどんな報酬があろうとも力が入らないタイプ、らしい。

全くもってその指摘は図星で。
「誰かに求められているものをするべき」という考えは少なからずあるけれど、それより「やりたいことだけやって生きていく」という価値観を覆すことはできなかった。



どう稼ぎを得るのかという現実的な話だと「好きなことで生きていく」のが如何に難しいのは理解できている。ので、せめて趣味の範囲では好きなようにやりたい。

自分の知識は、誇れるほど立派じゃない。でもこれからは、書きたくて書いたものを表明することをよしとしていきたい。

このブログがこれから多くの人の目に触れるのか、ひっそり消えていくのかはわからない。
ただこのブログを、1つの終着駅として、大切に続けていきたいと思う。
だからこそ、自分の価値観に合った、等身大のブログにしていけたらと思うのである。


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2001年の名作RPG「盗人講座」が好きだから遊んでほしい

ゲームアツマールで「盗人講座」をプレイした。 RPGツクール往年の名作とあって、面白い…・。備忘録がてら紹介していきます。 盗人講座とは 「 盗み 」をテーマに2001年に制作されたフリーゲーム。 こうして書くと胡散臭く見えるけれど、 勇気と正義の物語なんですよ…! ~ ストーリ...