マーダーミステリー「断ち切られるべき呪い」を遊んだ話

うっそだろ、めちゃくちゃ面白いんだけど。
というマーダーミステリーがあった話。

今回はマーダーミステリー「断ち切られるべき呪い」を遊んだときの話をします。

ネタバレはありませんが、物語の概要に触れていますので「事前情報無しで遊びたい!」という方はご注意ください。





ずっと遊んでいなかったマーダーミステリー


時は2019年。
GMマガジンvol.10に、マーダーミステリーのシナリオが付録としてついてくるというニュースをSNS上で発見した。


※GMマガジンとは
ゲームマスタリーマガジン。GroupSNEさんが刊行している雑誌で、TRPGのシナリオやリプレイ、そしてボードゲームの情報など、アナログゲームに特化した記事が掲載されている。



このブログを読んでいる方は、マーダーミステリーをご存知の方も多いと思うが、
端的にいうと、推理をテーマにしたコミュニケーションゲームだ。

2019年といえばマーダーミステリー流行りたての時期である。
今のようにネットを検索すれば簡単にシナリオが手に入る訳ではなかった。
新しいシナリオをとにかく遊びたい。
注目を集めているだけに、プレイ欲が高ぶって、飢餓感すらある時期である。

GMマガジン自体も気になるし、何よりマーダーミステリーの付録が欲しい!
ということで旦那と相談して意気揚々と雑誌を購入。

そのシナリオのタイトルこそが、今回語る「断ち切られるべき呪い」である。
しかしそこまで熱を入れていたのに、愚かなことにも、その後2021年まで、遊ぶ機会を逃し続けるのである。



ようやくそのときが来た


そして時は2021年。
遊んでいない、所謂「積んでいた」マーダーミステリーシナリオをまとめて遊ぼうという機会が浮上。
遊ぶシナリオの1つに、ようやく「断ち切られるべき呪い」がついに選ばれた。


GMマガジンを購入してからはや2年。
時代は流れた。(大袈裟)

今や東京や大阪を中心に、マーダーミステリーカフェが人気を博すようになり、対面で遊ぶのが主流だったのが、オンラインプレイにまでその裾野が広がるようになった。
シナリオは大手メーカーは勿論、BOOTHといったサービスを通じて個人シナリオも多数流通するようになり、かつてブルーオーシャンだったマーダーミステリー界隈も、群雄割拠の様相を呈し始めている。(ように見える)
YouTuberを始めとする配信者のプレイ動画も、マーダーミステリーの知名度アップに一役買っているはずだ。

その恩恵をたっぷりと得て、ここ2年で30シナリオ程を遊ばせてもらった。
だからようやく訪れた機会に「ようやく遊べる」という感慨は覚えども、期待度はそれほど高くはなかった。

どんな話にも言えることだが、マーダーミステリーのシナリオにも「向き不向き」がある。
わたしも何度か「不向き」のシナリオに当たったことがある。
期待度が高すぎて、結局「不向き」だったら嫌だな、だったらせめて期待せずに遊ぼうという、諦めにも似た気持ちがあったのは否定できない。

しかしその低すぎる期待は、大幅に裏切られるのである。



とにかく面白い


そう、結論から言うと、
「断ち切られるべき呪い」はとんでもなく面白かった。

「向き不向き」どころじゃない。
何でこんな面白いシナリオを2年も放置していたんだ。
そんな後悔と、生れ出づる感謝。

あのブルーオーシャンな時代に、ここまで面白い作品を提供してくれていたこと。
GroupSNEさんのパイオニア精神にただただ感謝なのである。

この付録1つで、大の大人5人が、
ルール説明と感想戦含め、
ひたすら濃厚な2〜3時間を過ごせるって、すごくないですか。すごいと思う。

5人中3人がソード・ワールドをほぼ知らなかったけれど、それでも最後には皆がファンタジー世界にどっぷり浸かり、
時に笑い、時に悩み、時に選択に苦しみ、楽しみぬいたのである。
終わったあとの充実感を噛み締めながら、改めてマーダーミステリーっていい遊びだと思うのであった。



シナリオの内容を少しだけ


わたしの感情ばかり連ねてもしょうがないので、内容についても少し触れさせていただく。

ストーリーのざっくりとした概要だが、


ある屋敷に住まう高名な老賢者が突如死体となって発見される。
犯人は屋敷にいた冒険者と使用人のうちのいずれか。
果たして老賢者を殺した犯人は一体誰なのか。そして殺害の理由とは一体…。
それぞれの秘密を抱えながら、彼らの調査が今始まる。


という感じ。
ミステリーとして非常にわかりやすい導入である。

世界観はTRPG「ソード・ワールド2.5」がモチーフで、舞台はファンタジー世界。
リカント・ナイトメア・コボルトなど、登場人物の種族もさまざまだ。

プレイ人数は5人
GMと呼ばれる司会役は、参加者の1人が兼任した。

密談と呼ばれる、少人数制の話し合いルールはなし。
全体議論を繰り返しながら進んでいき、場に伏せられたカードをめくることで事件の手がかりを手に入れることができる。
このシナリオならではのルールもいくつかあるが、ネタバレになるといけないのでここでは語らない。

1つだけ既プレイ者としてGMへアドバイスさせてもらうと、
ゲーム開始時に読み上げる導入があるのだが、これは人数分コピーすることをオススメする。
読み上げるにしては文章量が多いので、1回聞いただけじゃ内容が入ってこないと思われる。わたしは読み上げ役になったが、入ってこなかった。



最後に何を言いたいかというと


GMマガジンのバックナンバーを購入することでしか、現状手に入れることができないシナリオではありますが、マーダーミステリー経験者はもちろん、初めての方にも遊んでほしい、非常に楽しい作品です。

ファンタジー好きの方、ミステリー好きの方、そして物語への没入体験が好きな方はぜひ「断ち切られるべき呪い」を遊んでみてください。


最後に。

稚拙な言葉でしかエールを贈れない私ではありますが、これからこの作品の布教側に回りたいと思います。

GroupSNEさん、素晴らしい作品をありがとうございました。
これからの作品も、楽しみにしております。


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